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 川田整形外科では入院から外来まで理学療法士によるリハビリテーションを行っています.当院では膝・足関節を専門に手術を行っており,術後のリハビリテーションは膝・足関節機能の予後を決める重要な役割を担っています.

 リハビリテーションの認知度は以前に比べると知られることが多くなりましたが依然『リハビリテーションって何?』と尋ねられることがあり,まだまだリハビリテーションの必要性が知れ渡ってはいない現状です.

 ここではリハビリテーションの役割と当院のリハビリ機器の説明などを中心に説明しています.

リハビリテーションの役割について

 リハビリテーションの主な役割は機能障害(痛みや曲げ伸ばしが行いにくい,歩きにくいなど)の原因を分析し,機器(物理療法)や患部・全身を動かすこと(運動療法)などを行い機能障害を改善していくことです. 

 具体的にはが痛い場合に何が問題になっているのかを問診や評価などを行い分析し,損傷している箇所や炎症を起こしている部分に痛みや炎症を軽減する治療機器などを用いて治療を行います.また痛みがある場合には膝関節の筋力低下や曲げ伸ばしが行いにくいなど関節運動に支障が出る場合が多く見られるので症状に合わせて筋力トレーニングを行ったり,可動域訓練やストレッチ,マッサージなどを行ったりします.また痛みの原因が日々の仕事や生活習慣などによる身体ストレスが原因である場合も多く,体がうまく使えているか歪みがないかなどを判断し,全身をコーディネートしていきます.理学療法士は機能障害を改善する職人のようなものだと思ってください.

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リハビリテーションは必要か?

 当院では診察時に必要に応じて医師から外来リハビリテーションが処方されます.外来リハビリテーションは物理療法(電気や温熱,ウォーターベッドなど)と運動療法(理学療法士が直接実施)の2種類があります.患者さんは①物理療法のみ,②物理療法と運動療法を併用 の2パターンから治療を選択できます.現在運動療法を実施されている方は運動療法の役割や効果を理解されていると思いますが,初めての場合や物理療法のみを実施されている方は,運動療法の役割を理解されていない方が多いと思います.

 

 まずは外来リハビリテーションの必要性についてですが,変形性膝関節症や腰部脊柱管狭窄症など様々な疾患にリハビリテーションは処方されます.当院での治療は①保存療法と②手術療法の2種類があります.

 ①保存療法は注射や薬,湿布,装具,リハビリテーションなどを用いて痛みをなくしたりする方法です.②手術療法は保存療法が効果がない場合に手術をすることで痛みなどを除去する方法です.まず治療の第一選択は保存療法になります.変形性膝関節症を例にすると,痛みがある場合には関節注射等による痛みの緩和と関節の負担軽減を行い,さらに内服(薬)による痛みの緩和を行います.つまり,生じている痛みに対して対処することになります.その他には必要に応じて装具の装着を行うこともあります.変形や損傷が大きすぎて保存療法では改善が見込めない場合には手術療法が第一選択肢となり手術までの間にリハビリテーションを行います.術前にリハビリテーションを行うことにより術後の身体機能の経過を良好にするためです.

 

 変形性膝関節症の初期の場合は変形度合いも少ないことから関節注射や内服で痛みがなくなることがあり,改善することが多いです.しかし変形が進んだり,痛みが慢性化してくると膝の曲げ伸ばしに制限を生じたり膝の筋力低下を伴ってくることが多く見られます.これらの症状が出てくると膝の周りの組織に硬さがみられるようになり,膝関節の正常な動きを妨げ,膝機能の低下という悪循環が生じます.またこれらの症状は痛みを伴ってくることがあります.膝周りの組織の硬さは関節注射や内服で改善することはほとんどないため,膝の周りを柔らかくするためには直接動かすことが必要なります.この直接動かすことが運動療法になります.運動療法を行うことにより,組織の柔軟性の獲得,痛みの改善,筋力の向上,可動域の拡大など様々な治療結果をもたらすことが可能になります.

 理学療法士は『人の動きを診る』ことを専門としている職業です.歩き方や姿勢,動作などから問題点を把握し,その問題点を改善することができる職業です.そのため,膝のどこに問題があるのか,体全体のどこに問題があるのかを見つけ,それらを治療していきます.ご自身で膝を動かしたり,マッサージしたりすることで解決することもありますが,どこに問題があるかを的確に把握し,対応することは難しいです.

 

物理療法は主に痛みを改善させることを主目的においているため,注射や内服などの効果を補強する役割を持ちます.しかし,膝周りの組織の柔軟性を改善することは困難です.そのため痛みの悪循環を改善させ,保存療法の治療成績を高めるためにも理学療法士による運動療法を実施することをお勧めします.

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超音波

超音波を用いて細胞を刺激することで組織内を加温し,疼痛改善や柔軟性の向上が見込ませます.

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低周波

当院では疾患に応じて様々な低周波治療器を用意しています.低周波,干渉波,マイクロカレント,高電圧(max500V)など.筋力強化,疼痛軽減,組織治癒などに効果があります.

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​LIPUS

低出力の超音波をパルス照射することで骨癒合の促進を早めたり,組織損傷の治癒に効果があります.

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牽引治療器

椅子型の牽引治療器を使用しており牽引時に安定した姿勢で治療を行うことができます.軟部組織の伸張や筋のリラクゼーション,椎間関節の離開による神経症状の軽減に効果があります.

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反重力トレッドミル

密閉空間に空気を送り込むことで反重力空間を作り,荷重を軽減させ痛みを軽減させた状態で歩行やランニングを行うことができます.術後の歩行訓練などに用いられます.

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レーザー

高出力パルス照射のレーザー光が血管,神経に作用し,筋肉や関節の疼痛を軽減させる効果があります.

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​ハイボルテージ低周波

瞬間的に高電圧(300V)を流すことで,皮膚抵抗を最小抑え深部の組織に刺激を与えることができ,疼痛軽減や治癒促進に効果があります.

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ホットパック

表面の組織の温度を高めることで疼痛の軽減,組織の柔軟性の改善などに効果があります.湿式・乾式両方とも用意をしています.

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ウォーターベッド

水圧を用いて全身の筋肉をマッサージし血行を良くすることで疼痛の緩和やリラクゼーション効果が期待できます.

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トレーニングマシン

上肢から下肢まで機械を用いた筋力トレーニングマシンを導入しています.ブレスレットによるID管理で個人のトレーニング量を設定,調整することができます.

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ラジオ波

高周波を用いることで深部の組織を長時間温めることができます.疼痛・柔軟性・拘縮の改善が見込まれます.

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圧力波

圧力波を発生させ痛みのある組織に充てることで痛みの細胞を壊し,組織を修復させる効果があります.疼痛軽減,組織修復,拘縮改善が見込まれます.

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マイクロウェーブ

深部の温熱療法の1つでホットパックよりも深い部位を温めることができます.電磁波を用いて水分量の多い筋肉を加温し疼痛の軽減,可動域の改善に効果があります.

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筋力測定機器

等尺性・等速性筋力の評価ができる筋力測定機器で現在の膝の筋力を評価し治療の判断に使用します.術前・後に使用し筋力回復の経過をみていきます.

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